コラム
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栗田 芳和氏
組織・人事コンサルタント
第1回 私たちの就職戦線 (09/6/18)
昨年秋のリーマン・ブラザーズの破綻は、私たちに大きな衝撃を与えました。”まさかあのリーマンが・・・。”誰しもがそのように思ったのではないでしょうか。そしてそのショックは、私たちの生活、中でも就職事情に大きな影響を及ばし始めました。私たちの就職環境は、現在大きな転換期を迎えています。
リーマンショック後の企業

昨年秋のリーマン・ブラザーズの破綻は、私たちに大きな衝撃を与えました。世間一般で勝ち組と称される大手外資金融の突然の破綻。誰しもが信じられず、驚きでした。これからの私たちの生活はどのようになるのか、大きな不安を感じたことと思います。しかし、そんな私たちの不安が形として現れるのに、大して時間はかかりませんでした。ハイテク企業や自動車企業といった、海外依存の大きい企業は驚く速さで、非正規社員の解雇や雇い止めといった“派遣切り”などを行い、企業の存続を最優先いたしました。収益を確保するためのこれらの企業の行動は、企業側の対応としては非常に優れたものであったかと思いますが、私達のこれからの生活を考えると不安を感じざるをえない出来事であったと思います。

雇用の調整弁となる学生たち

この金融危機の影響は、私たち社会人だけではなく、現在就職活動を行っている学生たちにも大きな影響を及ぼしました。各企業とも軒並み新卒採用数を絞り込み、昨年までの売り手市場がうそのように、今年の就職活動は学生にとって厳しいものとなっています。

日経新聞のデータによると、前年比21.8%の削減になっており、インフラ業種(電気・ガス)といった一部の業界を除き、殆どの企業が採用数を削減しているのが現状です。

これまで景気動向に応じて新卒採用を調整されてきたのは、皆さんもご存知かと思いますが、その結果が、若年就業機会の搾取となり、ニート人材の増加や、企業内人員構成のひずみ(ミドル層の不足)、そして人材育成機会の欠如と会社にとっても問題になってきたことは、言うまでもありません。

厳しさを増す転職市場

企業の人材採用が厳しいのは、中途採用市場においても同様です。こちらもやはり昨年末より急激に厳しさが増しているようで、仕事柄人材紹介(エージェント)の方にお会いすることが多いのですが、話を聞くと、非常に厳しい状態であると、皆さん言っておられます。企業が中途採用を全く行っていないわけではないのですが、その選考基準はかなり厳しくなっているようです。特に大手企業ほど、組織単位での人件費管理をしっかりと行っている場合が多いので、業績向上が見込めない今の状況下では、新規に人材を採用することはかなり難しい状況になっています。

不景気になるといろいろと企業の中でも閉塞感を感じることが多くなり、ついつい転職を考えがちになりますが、今はどう考えてもいい時期ではありませんので、慌てての行動は禁物かと思います。

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